つぎのもの

かたちになる前のなにか

Something new is wonderful.

無礼講

 今夜は無礼講だ何でも頼め。何を言っても許すぞ。高度成長時代の上司はそういった。勘定も気前よかったし、その中には会社の交際費で落としたものもあった。
 この「無礼講くん」は懐かしき古き良き時代を再現してくれる素晴らしい機械だ。もう日本にはこんな気前のいい上司はいないし、パワハラとか何ハラとわめき立てて結局何もしない無能な社員が市民権を得ている甘っちょろい時代ではこういうシチュエーション自体がめったにない。無礼講くんはかような日本人に再び夢を見させてくれる素晴らしいエンターテイメントマシンだ。
 この機械の操作は画面をタップするだけだが、その5秒後には心地よい空間が生まれる。半径3メートル以内の人の精神に作用し、寛容性を飛躍的に向上させるのだ。しかもここで決まったことは有効であり、後から反転できないようになっている。
 無礼講くんの導入はトップ層の先進性によっている。成功すればブレイクスルーの可能性は高まる。一方、壊滅的な組織破壊の可能性もある。要は使い方次第だ。


alessandro boniniによるPixabayからの画像