つぎのもの

かたちになる前のなにか

Something new is wonderful.

真実の目



 美の基準というものは実は危うい。地域により時代により変わってしまう。考古学史料のビーナスは美しくない。源氏物語絵巻のヒロインたちは現代人の基準には合わない。ルネサンスのモナリザは美人だろうか。ルノワールの少女は少し分かるが江戸の浮世絵の美人画はいただけない。そんなこともあるかも知れない。何を美しいと感じるのかは絶対的基準などないのだ。
 なのに、美人とブスがいるのはなぜだ。イケメンとブ男はなぜいるのか。これは集団で錯覚にかかっているとしか言えない。大きな誤解であり、真実を見誤る大失敗だ。
 そこで、このコンタクトレンズの登場だ。これをつけるとあなたの外面上の思い込みを消去することができる。あなたが本当にすばらしいと思った人は輝いて見え、見かけだけの人物はくすんで見える。これであなたは真実を見誤ることはなくなるだろう。
 そうだ。このコンタクトレンズを装着して鏡を見るときは注意したほうがいい。自己肯定感が低い人は自分がよく見えないかもしれないから。