＜念のために申し上げますが、これは小説です＞

　新種のサイバー犯罪です。電子警察東京サイトの発表では、今年すでに数千万相当の詐欺事件が発生しているとのことです。数年前から急速に普及した無人コンビニで、他人に成りすまして商品を持ち去る新手の「万引き」が起きているというのです。関係者はこれを「天引き」と言っているようです。
　無人コンビニでは顔認証による決済システムが一般的ですが、どうも犯行グループはこの顔認証を巧みに回避する方法を獲得したようです。そしてあろうことが実在する別人に成りすまし、自らは課金されることなく商品を持ち出すというのです。まるでどこか空の果てに持ち去られるようなので「天引き」というのだとか。そういえば給料から税金などを引かれることも昔はそういったようですね。
　「天引き」の被害にあった人はある時明細をチェックしていて身に覚えのない品物を買ったことになっているのに気がつき愕然とするわけです。こんなことが許されるのでしょうか。

Jessica LatorreによるPixabayからの画像