何だ何だ、何なんだ。この子もあの子も、みんなのレポートを点検しているんだが、どれもこれもみんなコンピューターが作ったものばかりじゃないか。まったく困ったものだ。
　この子なんかはわざと誤字を入れているが騙されないぞ。というよりこの子はこれが誤字だということに気づいているのだろうか。きっと教師にバレないように誤字を入れてとでも指示したのだろう。私にはこの手も通じないぞ。このプログラムは私も使ったことがある。
　この子は子どもらしい表現を使っている。でも、これもコンピューターが作ったのは明らかだ。語彙の選択に癖がある。これは人間がやらない方法だ。私には分かる。
　この子の文章は論理が甘い。一見自分で書いたように見えるがこれも機械のなせるわざだ。計算的な論理破綻で、しかもなんとか言いたいことは通じる。これは小中学生の下手な作文をデータベースにして合成したのに違いない。
　どんなに小細工をしても私は見破ることができるぞ。君はスマホをフリックする前にベンを執るべきなのだ。それが思考力や表現力を伸ばすことには欠かせないのだ。教師はそのことに注意して指導しなくてはならない。

　教員用の添削ブログラムで生徒の作文をスキャンしてみたら、このようなコメントが生成された。